羽毛の粗末な日々

都内で倹しく生息する在宅勤務のアラフィフおかんです。

「夜と霧」と「手ぶらで生きる。」

またまた深夜すぎまで本を読んでしまって寝不足気味です。でもちょっと湿度がある朝で寝覚めは良かった。

 

「夜と霧」

こういった魂を揺さぶる良書はもっと若いうちに読んでおくべきでした、といったのが率直な気持ちです。絶望の淵に立たされたときに読むと心が救われる本かもしれません。

著名な精神科医(博士)による、ナチス強制収容所での実体験記。被収容者の精神的な変容の推移を淡々と述べた内容が前半、後半はそこで奇跡的に生還するために必要だった事、突き詰めると生きる意味とは、まで綴った哲学書のような体験記です。

いわゆるホロコーストの悲惨な惨状を長々と述べた文学作品ではなく、理論的な推論を伴い(精神医学の権威なだけあり)、被収容者の精神的な崩壊を説明しながら進めるとともに、最終的には自らの生きる希望を持てる分岐点となるものについて述べられております。

本書自体も一晩くらいで読了できる量で、専門医学用語を多用することなく分かりやすく簡潔に綴られているし、新旧お二人の翻訳者のあとがきもとても良かったです。

著者の聡明さと愛情深さにより、珠玉の名作になっていると思いました。

今回図書館で借りてきましたが単行本を手元に置きたいですね。何度か読みながらも解釈が深まりそうな気がします。

 

手ぶらで生きる。

現役ミニマリスト発信者による、「モノがない生活を楽しむ若者」の先駆け的な?本書ではないでしょうか。

 

昔、書店で手にしたことがあったのですが、子育て真っ最中、学用品を買い、子供の机を準備し、とモノを増やして生活していた私には「こんな生活、独身じゃなきゃ無理だろ!」と琴線には触れない本書でした。

改めて読んでみると現代ミニマリストの「基本のキ」が記されている良書ですね。センスが良い、というよりは無駄を徹底的に省いた生活スタイルが清々しい。

真似はできませんが。

 

昨日は結構仕事も忙しかったのに、気がついたら夜は読書に耽っていました。夜と霧のインパクトが強すぎて、そのあとに立て続けに読んだしぶさんのミニマル本は、あぁ、現代の幸せ感、と何故かほっとさせられました。捨てることの自由。生き方を選べる自由。本当に必要な「モノ」を手に入れられる自由。

 

ただ、何故か後者の方がミニマリストの本であるのに、人間としてのミニマル(広義の無駄を削ぎ落とす、という意味とはまた違うのですが)の真髄は前者の本の中に記されていた気がします。

 

立て続けに読む本のセレクトを間違えたか(笑)